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評価・テスト設計|FDEがLLMの品質を測り、ハルシネーションを抑える技術【2026年版】

最終更新: 2026-07-17(数値・事実は出典元の公表情報にもとづきます)

デモは動いた。でも、その回答は本当に正しいのか——生成AIを顧客の業務に載せるとき、最後に問われるのは「品質をどう保証するか」です。出力が毎回ゆらぐLLMは、従来のテストのやり方が通用しません。FDE(Forward Deployed Engineer)にとって、評価(Eval)とテスト設計は「動くAI」を「信頼できるAI」に変える決定的なスキルです。この記事では、正解データの作り方から評価指標、回帰テストの型までを整理します。

1. 評価・テスト設計とは——「正しさを測る基準」を作る技術

評価・テスト設計とは、LLMの出力が目的にかなっているかを、感覚ではなく定義された基準で測り、品質を継続的に監視する仕組みを作ることです。生成AIは同じ入力でも表現がゆらぎ、正解が一意に定まりません。だからこそ「何をもって良い出力とするか」を先に決めておかないと、良し悪しを議論できません。

FDEにとってこれが重要なのは、顧客に納品するのが「動くデモ」ではなく「業務で信頼して使えるシステム」だからです。RAG実装プロンプトエンジニアリングの良し悪しも、結局は評価で測って初めて改善できます。評価はすべての技術スキルの「答え合わせ」であり、これが無いと改善は当てずっぽうになります。

2. FDEの現場でどう使うか——「なんとなく良さそう」を許さない

FDEの案件でPoCが本番に進めない典型が、「デモは盛り上がったのに、品質を聞かれて答えられない」ケースです。現場で問われるのは次の点です。

①正解データ(評価セット)を用意する

顧客の実際の業務データから、「この入力にはこの回答が望ましい」という例を数十〜数百件集めます。これが評価の物差しになります。完璧な正解が無い業務でも、「含むべき情報」「触れてはいけない事項」をチェックリスト化すれば測れます。

②指標を決めて測る

用途に応じて、事実に合っているか(正確性)、必要な情報を漏れなく含むか(網羅性)、禁止事項に触れていないか(安全性)などを指標にします。人手評価に加え、LLMに採点させるLLM-as-a-judgeを併用すると、大量の出力を効率的に測れます。数値で示せると、顧客の意思決定者にも品質を説明できます。

③回帰テストで「悪化」を検知する

プロンプトを直す、モデルを更新する——こうした変更で、直したはずが別の部分が悪化することは頻繁に起きます。評価セットを使った回帰テストを回し、変更のたびに品質が下がっていないか確認します。これがあると、安心して改善を続けられます。

「作れる」だけでなく品質を担保して運用に載せることは、ヒアリングから運用まで一気通貫を担うFDEの職務そのものです(Findyの求人特集・Sansan公式テックブログ。出典は末尾)。

3. 今どうやって身につけるか——「測る」を習慣にする

評価スキルは、小さくてもいいので「自分のAIの品質を数値で測った」経験で身につきます。

Step 1: 自作アプリに評価セットを作る

RAGなどの小さなアプリを作ったら、必ず10〜30件の「入力と望ましい回答」のペアを用意し、正確性・網羅性を自分で採点してみます。ここで初めて「思ったより間違えている」現実が見えます。

Step 2: LLM-as-a-judgeを試す

採点用のプロンプト(「以下の回答が事実に合っているかを0〜2で採点し理由を述べよ」等)を作り、LLMに評価させてみます。人手評価とどれくらい一致するかを確かめると、自動評価の限界と使いどころがわかります。

Step 3: 変更前後を比較する癖をつける

プロンプトやモデルを変えたら、必ず評価セットで前後のスコアを比べます。「良くなった気がする」ではなく「正確性が72%→81%」と言えるようにする——この習慣が、本番運用でそのまま回帰テストになります。まとめた評価設計はポートフォリオの強い題材になります。学習順序は未経験からのロードマップを参照してください。

4. FDE Outlook——評価スキルの現在地と見立て

今見えていること: モデルの性能が上がるほど、差がつくのは「品質を証明できるか」に移っています。FDEスキルマップでは技術基盤の一部として評価・テスト設計を位置づけました。PoC設計の評価指標とも地続きで、成功基準を決める力と品質を測る力はセットです。

今後の見立て: AIの導入が広がるほど、「そのAIは信頼できるのか」を問う社会・行政の目線は厳しくなります。評価の一部(採点の自動化・テストの生成)はAI自身が肩代わりしていく一方で、その業務で「何を正しさとするか」を顧客と合意して定義する仕事は人に残ると見ています。測る技術より、測る基準を決める判断——ここがFDEの評価スキルの本丸になっていくはずです(求人要件の変化は求人ウォッチで観測を続けます)。目指し方はFDEになるにはをご覧ください。

出典

よくある質問

LLMの評価はふつうのソフトウェアのテストと何が違いますか?

決定的な正解が1つに定まらない点が最大の違いです。通常のテストは「入力Xなら出力Yが正解」と一意に書けますが、LLMの出力は表現が毎回ゆらぎ、複数の正解があり得ます。そのため「完全一致」ではなく、正しさの基準(事実に合っているか・必要な情報を含むか・禁止事項に触れていないか)を定義し、人手評価やLLMによる採点(LLM-as-a-judge)と組み合わせて測る設計が必要になります。ここを飛ばすと「なんとなく良さそう」で本番に出してしまい、現場で誤りが露呈します。

ハルシネーション(もっともらしい嘘)はどう抑えるのですか?

ゼロにはできませんが、抑える設計はあります。代表的なのは、回答の根拠を社内文書に限定するRAG構成、根拠の出典を必ず提示させること、判断を伴う出力は人の確認を挟むこと、そして「わからない場合はわからないと答える」ことを許容する設計です。加えて、評価データで「事実に基づかない出力の割合」を継続的に測り、悪化していないか監視します。FDEは精度100%を約束するのではなく、誤りが起きる前提でリスクを管理する設計を顧客に示せることが重要です。

評価スキルは選考でどう示せますか?

「AIの出力の良し悪しを、感覚ではなく基準で測った経験」が効きます。自作のLLMアプリで正解データを用意して精度を測った、プロンプトのA/Bを評価指標で比較した、といった経験を、「どんな基準で・何件のデータで・どう改善したか」まで語れると強い証拠になります。作れることより、作ったものの品質を証明できることがFDEの信頼につながります。

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